

市街化調整区域とは、都市計画法第7条で「市街化を抑制すべき区域」と定められ、原則として建物の新築や開発が制限されるエリアです。
市街化調整区域の固定資産税が安いのは、開発制限によって土地の評価額が低く算定され、さいたま市では都市計画税(税率0.3%)もかからないためです。ただし、この安さは「売りにくさ」の裏返しでもあります。放置すれば管理費や増税のリスクが膨らみます。
この記事のポイント
市街化調整区域の固定資産税が安い理由は、大きく3つあります。開発制限で土地の評価額が低く抑えられること、都市計画税が原則かからないこと、そして農地や山林のまま「農地評価」で課税される土地が多いことです。ただし、幹線道路沿いの駐車場や資材置場のように例外もあります。
固定資産税の額は「固定資産税評価額(課税標準額)×標準税率1.4%」で決まります。そのため、評価額が低い土地ほど税額も小さくなります。
土地の評価額は、地価公示価格のおおむね7割を目安に算定されます(横浜市の税務資料などで公表されている考え方)。地価公示価格は、その土地にどれだけの需要があるかを反映した数字です。では、市街化調整区域の需要はなぜ低いのか。原則として家を建てられない土地は、買いたい人が限られ、取引価格そのものが低くなるからです。価格が低いから評価額も低く、評価額が低いから税金も安い。この連鎖が、安さの根っこにあります。
さいたま市の都市計画税は、市街化区域内の土地・家屋だけに課税されます。市が毎年発行する「市税のしおり」(令和8年度版)にも、その旨が明記されています。
都市計画税は、道路や下水道、公園の整備に充てる目的税で、税率の上限(制限税率)は0.3%です。総務省の解説によると、課税するかどうかや税率は市町村が条例で決めます。条例で定めれば市街化調整区域の一部に課税することもできるのです。つまり「調整区域はどこでも非課税」とは言い切れません(自治体によって扱いが違う)。少なくとも、さいたま市の調整区域であれば都市計画税は0円です。納税通知書に「都市計画税」の欄があるかどうかを確認すると、一目でわかります。
市街化調整区域の農地は、固定資産税の上で「一般農地」に区分され、農地としての売買価格をもとに評価・課税されます。宅地並みの評価にはなりません。
農林水産省の資料では、税額の目安が次のように示されています。
同じ1反(約300坪)の畑でも、線の内側か外側かで、税額は数十倍から100倍近く変わる計算です。「調整区域の税金は驚くほど安い」という実感の大半は、この農地評価から来ています。ちなみに、さいたま市は平成4年から市街化区域内で生産緑地の指定を行っています。市街化区域内の農地には宅地並みの課税が前提とされる地域で、だからこそ線引きによる差が際立ちます(個別の課税区分は市の資産税課で確認してください)。
市街化調整区域なら必ず固定資産税が安い、というわけではありません。ここは競合記事がほとんど触れていない点です。
典型的なのは、幹線道路沿いで駐車場や資材置場として使われている「雑種地」です。建物は建てられなくても、土地として収益を生んでいるため、評価額がかなり高くなる例が専門家から報告されています。線引き前から宅地だった土地(いわゆる既存宅地)も、建て替えの可能性があるぶん評価は高めに出がちです。「調整区域なのに思ったより高い」と感じたら、評価が利用実態に合っているか確認する価値があります。市区町村の固定資産課税台帳を閲覧したり、評価に疑問があるときは固定資産評価審査委員会に審査を申し出たりする方法があります。
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同じ広さの住宅用地でも、評価額の差と都市計画税の有無によって、年間の税額は3倍以上違うことがあります。以下では、計算式と、前提条件を置いた試算で差を見ていきます。この試算は仕組みを理解するための計算例です。実際の税額は、お手元の納税通知書で確認してください。
土地の税額は「課税標準額×税率」で求めます。住宅が建っている土地には「住宅用地特例」があり、課税標準額が大きく減額されます。押さえておきたい数字は次のとおりです。
都市計画税の住宅用地特例は、200㎡以下の部分が1/3、それを超える部分が2/3です。住宅用地特例は「建物が建っていること」が前提のため、更地にした瞬間に外れます。この点は、後ほど放置リスクの章で改めて取り上げます。
評価額を市街化区域2,000万円、市街化調整区域800万円と仮定して計算すると、年間の税額差は約4万8,000円になります。前提はどちらも200㎡の小規模住宅用地で、負担調整措置は考慮していません。
| 項目 | 市街化区域(仮定) | 市街化調整区域(仮定) |
|---|---|---|
| 土地の評価額 | 2,000万円 | 800万円 |
| 固定資産税(×1/6×1.4%) | 約46,667円 | 約18,667円 |
| 都市計画税(×1/3×0.3%) | 20,000円 | 0円(さいたま市) |
| 年間合計 | 約66,667円 | 約18,667円 |
差額は年4万8,000円、10年で約48万円。数字だけ見ると、調整区域は明らかに「持ちやすい」土地です。ただ、この試算には草刈りや見回りの費用が入っていません。そこを含めると印象はかなり変わります(次章で触れます)。
農地の場合、市街化区域と市街化調整区域の税額差は宅地よりもさらに大きくなります。農林水産省が示す目安は、一般農地が10aあたり千円単位、三大都市圏特定市の市街化区域農地が10aあたり十数万円です。
なぜここまで差が開くのか。市街化区域の農地は「いつでも宅地にできる土地」とみなされ、近くの宅地の価格から造成費を引いた額で評価されます。一方、調整区域の農地は、あくまで農地としての取引価格で評価されます。評価の出発点そのものが違うため、桁が一つ二つ変わるのです。裏を返せば、農地転用の許可を受けて宅地や雑種地に変えると、評価方法も変わり、税額は跳ね上がります。売却前に転用するかどうかは、買い手が決まってから判断するのが安全です。
固定資産税が安くても、市街化調整区域の土地を放置するのは危険です。草刈りや見回りの費用が税額を上回りやすいうえ、管理不全空家として勧告を受けると、土地の税額は理論上約4倍に増えます。相続登記の義務化によって、先送りにも期限ができました。
市街化調整区域の土地は周りに人目が少ないことが多く、雑草の繁茂や不法投棄の標的になりがちです。さいたま市には「さいたま市空き地の環境保全に関する条例」があり、適正に管理されていない空き地の所有者には、市(環境局 環境総務課)が指導や勧告を行います。空き家については「さいたま市空き家等の適正管理に関する条例」があり、雑草の繁茂や害虫の発生も「管理不全な状態」として定義されています。
遠方に住んでいて自分で草を刈れない場合、業者やさいたま市シルバー人材センター(市と協定を結び、空き家の除草などを請け負っている)に頼むことになります。夏場に年2〜3回の除草を外部に頼めば、先ほどの試算の年税額1万8千円台はすぐに超えてしまいます。正直なところ「税金が安いから持っていても困らない」という判断は、この管理費を見落としている場合がほとんどです。
2023年12月13日に施行された改正空家等対策特別措置法によって、倒壊のおそれがある「特定空家」になる前の段階、つまり放置すれば特定空家になるおそれがある「管理不全空家」も、市町村長の勧告対象になりました。勧告を受けると、固定資産税の住宅用地特例が解除されます。
よく「6倍になる」と言われますが、これは特例率1/6を単純に戻した場合の話です。住宅以外の土地の課税標準額は、負担調整措置によって評価額の70%が上限とされています。そのため、200㎡以下の住宅用地で計算すると、理論上の増え方は約4.2倍(1/6→70%)にとどまります。静岡市も、特例が解除された場合の増額を「約4倍」と案内しています。「6倍」は誇張としても、4倍でも十分重い負担です。先ほどの調整区域の試算に当てはめると、年約1万8,700円が約7万8,400円になる計算です。
「空き家を壊せば管理不全空家にはならない」と考えて解体すると、別の落とし穴があります。住宅用地特例は建物が建っていることが前提なので、更地にした翌年度から特例が外れてしまうのです。
市街化調整区域の場合、さらに厄介な問題がもう一つあります。解体した後に、同じ場所に建て直せる保証がないことです。
調整区域の古家は、壊す前に「再建築できるか」を市の窓口で確認するのが鉄則です。既存の建物があることで建て替えが認められる余地が残っているケースもあり、解体によってその余地を自ら手放してしまうことがあるからです。
2024年4月1日から相続登記の申請が義務化され、不動産を相続したことを知った日から3年以内に登記をする必要があります。正当な理由なく怠ると、10万円以下の過料の対象になります。
見落とされやすいのが、義務化より前の相続も対象になる点です。法務省によると、2024年4月1日より前に相続したことを知った不動産は、令和9年(2027年)3月31日までに相続登記をしなければなりません。すぐに遺産分割がまとまらない場合は、「相続人申告登記」で義務を果たしたことにする方法もあります。ただし、それだけでは売却はできません。売るには、最終的に遺産分割に基づく相続登記が必要です。相続人が増えるほど、全員の同意を集める難しさは増していきます。
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市街化調整区域の土地が売れにくい主な原因は、「建てられない」「ローンが組みにくい」「インフラが弱い」「農地法の許可が必要」「仲介会社が動きにくい」の5つです。ただし、2023〜2024年の制度改正で、農地と低価格物件の取引には追い風が吹いています。
市街化調整区域で開発行為をするには、都市計画法第34条の立地基準のいずれかに当てはまる必要があります。建物の建築や用途変更にも許可が要ります。さいたま市は「簡易な建築物でも、物置やコンテナを置くと都市計画法違反になる可能性がある」として、事前の相談を呼びかけています。
特に注意したいのが、農家住宅のように「その人だから建てられた」建物(いわゆる属人許可の建物)です。さいたま市も、農業者用の住宅を農業をしていない人が使う場合には許可が必要な例として挙げています。属人許可の住宅は、買った人がそのまま住めるとは限りません。まずは、売り出す前に許可の経緯を把握しておくことが先決です。
市街化調整区域の不動産は担保としての評価が低く、再建築できるかどうかも不確かなため、金融機関の住宅ローン審査が厳しくなりがちです。融資を断られたり、自己資金を多めに求められたりするケースがあります。
住宅ローンが通らなければ、個人の買主は現金で買える人に限られます。その結果、売買契約に「ローン特約」(融資が下りなければ白紙解約できる条項)が付き、契約後に解約されるリスクが出てきます。売主にとって怖いのは、価格よりも「決まったと思った話が流れること」です。ただし、ローンの可否は物件の適法性や金融機関によって大きく違うため、一律に「組めない」とは言えません(ここは断定を避けておきます)。
市街化調整区域は積極的に市街化を進める区域ではないため、前面の道路に公共下水道や都市ガスが来ていない地域が少なくありません。その場合、買主が追加の工事費用を負担することになり、その費用は値引き交渉の材料にされます。
金額は現地の状況によって大きく異なります。売り出す前に「どこまで来ているか」を水道局や下水道の担当課で調べておくだけで、交渉で不利になるのを防げます。調べた結果を販売資料に載せておけば、買主の不安も和らぎます。
地目が田や畑の土地を売るには、農業委員会の許可が必要です。農地のまま売るなら農地法第3条、宅地などに転用する目的で売るなら第5条の許可です。農用地区域内の農地(いわゆる青地)は、原則として転用が認められません。
一方で、追い風もあります。2023年4月1日施行の法改正により、農地法第3条許可の「下限面積要件」が廃止されました。以前は一定の面積以上を耕作する人しか買えませんでしたが、今は小さな農地でも買い手になれる人が広がっています。ただし、取得した農地をすべて効率的に耕作すること、農作業に常時従事することなどの要件は今も残っています(「誰でも買える」わけではない点に注意してください)。国土交通省も、この改正を受けて「農地付き空き家」の手引きを2024年10月に改訂しています。
不動産の仲介手数料の上限は、売買価格が400万円を超える場合「価格×3%+6万円(税別)」です。市街化調整区域の物件は価格が低く、役所の調査には手間がかかるため、仲介会社にとって採算が合いにくい案件でした。
この構造を変えたのが、2024年7月1日施行の報酬告示の改正です。800万円以下の物件(低廉な空家等)については、媒介に要する費用を考慮して、上限30万円(税込33万円)まで報酬を受け取れるようになりました。つまり、安い調整区域の物件でも、仲介会社が本腰を入れやすくなったということです。売主から見ると、通常より手数料が高くなる可能性がある点は事前に知っておきたいところです。この特例が適用されるかどうかは、媒介契約の時点で説明を受けて合意するのが前提です。
市街化調整区域の土地を手放すときは、土地の履歴を調べ、買い手の範囲を「住む人」から「使う人」へ広げ、仲介・買取・国庫帰属の中から状況に合う出口を選ぶ、という順番で進めます。売れた後の税金を軽くする100万円控除には、調整区域ならではの「500万円の壁」があります。
売却の準備は、登記と許可の経緯を確認するところから始めます。調整区域の土地の値段は、「建て替えられるかどうか」でほぼ決まるからです。
埼玉県では、昭和45年に市街化区域と市街化調整区域の当初の区分(線引き)が決定されています。所沢市の資料では、その告示日は昭和45年8月25日(埼玉県告示第975号)です。線引きの前から宅地だったことを証明できれば、再建築の許可を得られる可能性が高まります。なお、さいたま市内の個々の土地の線引き日や経緯は、市の開発調整課の窓口で確認するのが確実です(区域ごとに変更の履歴があるため)。
市街化調整区域の土地で買い手を「住宅を建てる個人」に絞ると、候補はごくわずかです。建物を建てずに土地を使う事業者や、隣の土地の所有者まで範囲を広げると、成約の可能性が一気に上がります。
中でも隣地の所有者は意外な本命で、敷地を広げられるため、相場より高い値段を提示してくれることもあります。ただし、資材置場として使う場合でも、事務所や倉庫を建てるには許可が必要です。さいたま市が注意を促しているとおり、コンテナを置いただけで違反になることがあります。買主の利用計画が適法かどうかは、契約前に確認しておくべきです。
市街化調整区域の土地を手放す方法は、主に4つあります。手元に残る金額、かかる時間、使える条件がそれぞれ大きく異なります。
| 方法 | 手元に残るお金 | スピード | 主な条件・注意点 |
|---|---|---|---|
| 仲介で売却 | 最も多くなりやすい | 数か月〜数年 | 800万円以下は報酬特例(上限税込33万円)の可能性 |
| 買取業者へ売却 | 仲介より低め | 早い | 現況のまま・測量前でも相談できる場合がある |
| 相続土地国庫帰属制度 | マイナス(負担金) | 審査に時間がかかる | 建物がある土地は申請不可。審査手数料1筆14,000円+負担金 |
| 自治体へ寄付 | 0円 | 不確実 | 受け付けてもらえないことが多い |
国庫帰属の負担金は、宅地や田畑であれば原則として面積にかかわらず20万円です。面積に応じて算定されるのは、市街化区域や用途地域が指定されている地域の宅地、農用地区域などの田畑、森林といった土地に限られます。用途地域の指定がない調整区域の宅地や雑種地であれば、原則20万円で済む計算です。とはいえ、建物の解体や境界の確定が前提になるため、トータルの費用は売却より重くなることがほとんどです。筆者の考えとしては、順番は「売却(仲介・買取)を試してから、最後の手段として国庫帰属」が合理的だと思います。
使われていない土地を売ったときに、長期譲渡所得から最大100万円を差し引ける「低未利用土地等の100万円特別控除」があります。この制度は令和8年度税制改正で延長され、令和10年(2028年)12月31日までの譲渡が対象です。
注意したいのは、売買価格の上限です。上限が800万円に引き上げられているのは、市街化区域や用途地域が設定された区域などにある土地です。それ以外の地域、つまり多くの市街化調整区域の土地は、上物を含めて500万円以下でなければ対象になりません。ほかにも、主に次のような要件があります。
価格交渉の着地点が500万円の前後になりそうなときは、控除を受けられるかどうかで手取りが変わります。契約前に税理士や市の担当課に相談しておくと安心です。
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さいたま市は市内全域が市街化区域と市街化調整区域に区分されており、郊外部には調整区域が広く残っています。幹線道路へのアクセスが良い調整区域は事業用の需要が強く、市独自の開発審査会基準を満たせば建築が認められる場合もあります。
さいたま市は、市内全域を都市計画法に基づいて市街化区域と市街化調整区域に区分しています。大宮駅や浦和駅の周辺の市街地を囲むように、西区、見沼区、岩槻区、緑区、桜区などの郊外部に調整区域がまとまって分布しています。
代表的なのが、見沼区・緑区にまたがる「見沼田んぼ」の周辺や、荒川沿いの低地です。ここは緑地や農地を保全する目的が強く、今後も市街化区域に編入される可能性は低いと考えられます(筆者の見立て。今後の見直しの方針は県・市の公表資料で確認してください)。「いつか市街化区域になるかも」と期待して持ち続ける戦略は、さいたま市の調整区域の多くでは分が悪いでしょう。自分の土地がどちらの区域にあるかは、市の「都市計画のお調べ」から確認できます。
さいたま市の市街化調整区域には、国道16号、国道17号(新大宮バイパス)、国道463号、東北自動車道の岩槻ICなど、物流の動脈に近いエリアがあります。住宅地としては敬遠される土地でも、トラックが出入りしやすいかどうかで評価が大きく変わります。
需要があるのは、資材置場、建設機械の保管場所、車両置場などです。ここで先ほどの話が効いてきます。幹線道路沿いの雑種地は固定資産税の評価が高めに出やすく、持ち続けるコストもかさみます。「税金が高めの調整区域の土地」ほど、事業用の買い手がつきやすい傾向にあります。どういうことかというと、評価が高い土地ほど利用価値も高いという、ある意味では素直な関係です。
さいたま市は、都市計画法第34条第14号などに基づき、「市街化を促進するおそれがなく、市街化区域内で行うことが困難または著しく不適当」と判断できるものを「さいたま市開発審査会基準」として定めています。この基準は2種類に分かれます。
1つ目の「一括議決基準」は、あらかじめ開発審査会の議を経たものとして扱われる基準です。たとえば調整区域の自治会が設置する集会所は、おおむね50以上の建築物が原則50m以内の間隔で連なる地域にあることなどが要件とされています。2つ目の「個別付議基準」は、案件ごとに審査会に諮る基準です。個別付議基準は、要件を満たしていても審査会の審議によっては許可されないことがあると、市が明記しています。許可を前提に売買する場合は、許可が取れなかったら白紙にする条項(停止条件)を契約に入れておくのが安全です。
市街化調整区域の売却では、法律の調査、税金、販路の3つの専門知識が必要になります。一つの窓口ですべてを済ませようとせず、役割ごとに相談先を使い分けるのが近道です。
不動産会社を選ぶときは、「調整区域の取引実績が何件あるか」「事業用の買い手とのつながりがあるか」を具体的に聞いてみてください。査定額の高さより、役所調査をどこまでしてくれるかで選ぶ方が失敗しにくいでしょう。調整区域に慣れた担当者なら、初回の面談で線引きや許可の論点を自分から指摘してくれるはずです。
A. 土地の評価額×1.4%(住宅用地は特例で減額)で決まるため、一概には言えません。市街化区域より評価額が低いうえ、さいたま市では都市計画税がかからないので、同じ広さでも数分の1になることが多いです。農地であれば10aあたり千円単位という目安もあります。
A. さいたま市では、都市計画税は市街化区域内にしか課税されません。ただし、法律上は条例で調整区域の一部に課税することも認められているため、ほかの自治体では納税通知書で確認してください。
A. 条件次第で建て替えが認められる場合があります。線引き前からの宅地かどうか、当初の許可の内容、申請する人の要件などで判断されるため、さいたま市の開発調整課で履歴を確認するのが第一歩です。
A. 上がります。住宅用地特例が外れるため、土地の税額は理論上約4倍(200㎡以下の場合)になります。調整区域では解体後に再建築できない恐れもあるので、壊す前に建築の可否を確認してください。
A. 誰でも買えるわけではありません。農地のまま買うには農地法第3条の許可が必要です。2023年4月に下限面積要件が廃止されたので、以前より買い手の幅は広がっています。
A. 事業者や隣地の所有者へ売る、買取業者に相談する、の順で検討するのが現実的です。それでも難しく、建物がない土地であれば、相続土地国庫帰属制度(負担金は原則20万円)が最終的な選択肢になります。
A. 400万円を超える物件では「価格×3%+6万円+消費税」が上限です。800万円以下の物件は、2024年7月からの特例により、上限税込33万円まで請求される可能性があります。媒介契約の前に確認してください。
A. 条件を満たせば、低未利用土地等の100万円特別控除を使えます。調整区域の多くは「上物込みで500万円以下」が条件となり、市区町村の確認書が必要です。期限は令和10年12月31日までの譲渡です。
A. 10万円以下の過料の対象になることがあります。相続を知った日から3年以内が期限で、2024年4月より前の相続分は令和9年3月31日までに登記が必要です。
A. 組めないとは限りませんが、審査は厳しくなりがちです。建物が適法かどうかや担保評価によって金融機関の判断が分かれるため、買主が現金購入に限られるケースもあります。
空き家・空き店舗から市街化調整区域まで。なんでもご相談ください!
市街化調整区域の固定資産税が安いのは、開発制限で評価額が低く、さいたま市では都市計画税もかからず、農地なら農地評価で課税されるからです。ここまで読んでいただいた方なら、その安さが「需要の低さ」の裏返しであることにお気づきでしょう。
放置すれば、草刈りの費用、管理不全空家の勧告による約4倍の増税、相続登記の期限が重なってきます。一方で、2023〜2024年には農地法の下限面積撤廃や800万円以下の物件の仲介報酬特例など、調整区域の土地を動かしやすくする改正が続きました。「税金が安いうちに、売れる道筋をつけておく」のが、いちばん損をしにくい選択です。
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