当社について
土地売買の流れ
2025.11.14

知らないと600万円損!「3,000万円特別控除」の条件を徹底解説|土地売却・更地・併用ルール完全ガイド

土地やマイホームを売却する際、最も気になるのが「税金」ではないでしょうか。「売却益(譲渡所得)に高額な税金がかかる」と聞き、不安になっている方も多いかもしれません。

しかし、ご安心ください。
もし、あなたが売却する不動産が「マイホーム(居住用財産)」であれば、譲渡所得から最大3,000万円を控除できる「居住用財産を譲渡した場合の3,000万円の特別控除の特例」という、非常に強力な制度が使える可能性があります。

この記事では、不動産のプロであるアイエー大宮支店が、この「3,000万円特別控除」について、特に「土地売却」のケースに焦点を当て、適用条件から注意点、手続きまで、8,000文字を超えるボリュームで徹底的に解説します。

まずはネットで無料査定

ポイントまとめ

  • マイホーム売却益から最大3,000万円を引ける強力な節税制度
  • 譲渡所得が3,000万円以下なら、所得税・住民税はゼロになる
  • 「住まなくなった日」から3年目の12月31日までに売る必要がある
  • 建物を解体して土地のみ売る場合、「解体後1年以内の契約」など厳しい追加条件あり
  • 「10年超所有の軽減税率」とは併用可能。節税効果がさらにアップ
  • 「買い替え特例」や「住宅ローン控除」とは原則併用できない(選択が必要)
  • 適用を受けるには、売却の翌年に必ず「確定申告」が必要
  • 夫婦の「共有名義」なら、それぞれが適用でき、最大6,000万円まで控除可能

3,000万円特別控除とは?知らないと600万円損する「居住用財産の特例」の仕組み

まず、この制度がどれほど強力なのか、具体的な数字で見てみましょう。

不動産を売却して利益が出ると、その利益(譲渡所得)に対して「譲渡所得税(所得税+住民税)」がかかります。

【譲渡所得の基本計算式】
譲渡所得 = 売却価格 -( 取得費 + 譲渡費用 )

  • 取得費: その不動産を買ったときの代金や手数料(建物は減価償却費を引きます)
  • 譲渡費用: 売るためにかかった費用(仲介手数料、印紙代など)

例えば、ご両親から相続した古い家(取得費不明)を解体し、土地を5,000万円で売却したとします。

ケース1:特例を知らない場合(最悪のケース)

  • 売却価格:5,000万円
  • 取得費:不明なため「概算取得費(売却価格の5%)」を適用 → 250万円
  • 譲渡費用:300万円(解体費、仲介手数料など)
  • 譲渡所得:5,000万円 – (250万円 + 300万円) = 4,450万円
  • 所有期間が10年超(長期譲渡所得)だった場合の税率:20.315%
  • 税額:4,450万円 × 20.315% = 約904万円

売却代金の多くを税金で持っていかれてしまいます。

ケース2:3,000万円特別控除を使った場合

  • 譲渡所得:4,450万円
  • 特例適用:4,450万円 – 3,000万円 = 1,450万円
  • この1,450万円(課税譲渡所得)に税金がかかります。
  • 税額:1,450万円 × 20.315% = 約294万円

なんと、税額が約610万円も安くなりました。
もし、譲渡所得が3,000万円以下(例えば、売却益が2,500万円)だった場合は、
2,500万円 – 3,000万円 = 0円(マイナスはゼロとして扱います)
となり、税金は完全にゼロになります。

このように、3,000万円特別控除は、マイホームを売却する人にとって「知っているか、知らないか」で数百万円単位の差がつく、最強の節税対策なのです。私たちアイエー大宮支店では、お客様の資産を最大限守るため、この特例の適用可否を必ず最初に確認しています。

アイエー大宮支店の買い取り実績

アイエー大宮支店の買取実績

空き家・空き店舗から市街化調整区域まで。なんでもご相談ください!

【診断チャート付】適用条件を徹底解剖|あなたが使えるか8つの要件でチェック

「ウチも使えるかも!」と思われたかもしれません。しかし、この特例は「マイホーム」のための制度なので、適用条件は非常に厳格です。

国税庁の定める主な要件(※2025年現在)を、初心者の方にも分かりやすく解説します。以下のチャートでご自身が当てはまるかチェックしてみてください。

【3,000万円特別控除 適用診断チャート】

  1. 売却したのは「自分が住んでいた家(マイホーム)」ですか?
    • YES → 2へ
    • NO(別荘、賃貸アパート、親が住んでいた家など) → 原則適用不可(※親の家は「相続空き家の特例」の可能性あり。後述)
  2. (もし引っ越し済みの場合)住まなくなってから「3年目の年末まで」に売却しましたか?
    • YES → 3へ
    • NO(4年以上前に引っ越した) → 適用不可
  3. 売却した相手は「親族や配偶者、内縁関係の者」以外ですか?
    • YES → 4へ
    • NO(夫から妻へ、親から子へ売却など) → 適用不可
  4. 売却した年、その前年、前々年(過去3年間)に、この3,000万円控除や他のマイホーム特例(買い替え特例など)を使っていませんか?
    • YES(使っていない) → 5へ
    • NO(3年以内に使った) → 適用不可
  5. (もし家を取り壊して土地だけ売る場合)その土地は、取り壊し後「1年以内」に売買契約を締結していますか?
    • YES → 6へ
    • NO(解体してから2年後に契約した) → 適用不可
  6. (もし家を取り壊して土地だけ売る場合)解体してから売却契約日まで、その土地を「貸駐車場」など事業用に使っていませんか?
    • YES(使っていない) → 7へ
    • NO(月極駐車場として貸していた) → 適用不可
  7. 売却した家や土地は、この特例を受けることだけを目的として入居したものではありませんか?
    • YES(本当に住んでいた) → 8へ
    • NO(節税目的で一時的に入居した) → 適用不可
  8. 売却の翌年に「確定申告」を行う予定ですか?
    • YES → 適用できる可能性が非常に高いです!
    • NO(申告しない) → 適用不可(申告が必須です)

いかがでしたでしょうか。すべてYESだった方は、特例を使える可能性が非常に高いです。
特に重要なポイントを、さらに深掘りして解説します。

【深掘り解説1】「居住用財産(マイホーム)」の定義
税務署が判断する「居住用」とは、「住民票があること」だけではありません。「生活の実態があったか」を重視します。
例えば、住民票だけ残して実際は海外に住んでいた、といったケースは否認されます。逆に、単身赴任で家族が住み続け、週末だけ帰宅していたような場合は、生活の拠点として認められるケースが多いです。

【深掘り解説2】「住まなくなった日から3年目の年末まで」の期限
これは非常に重要な期限です。
例えば、2023年(令和5年)3月1日に引っ越した(住まなくなった)場合。

  • 1年目:2023年12月31日
  • 2年目:2024年12月31日
  • 3年目:2025年12月31日

となり、2025年12月31日までに売却(引き渡し)を完了させる必要があります。

「いつか売ろう」と放置していると、この強力な特例が使えなくなってしまいます。アイエー大宮支店では、お客様の状況に合わせ「いつまでに売却すべきか」という売却スケジュールの策定もサポートしています。

【深掘り解説3】「過去3年以内に他の特例を使っていない」
この特例は、3年に1度しか使えません。例えば、2023年に別の家を売ってこの特例を使った場合、2024年、2025年は使えません。次に使えるのは2026年以降の売却になります。

まずはネットで無料査定

【土地売却の最重要点】「建物解体後」「更地」で売る場合の追加条件とは?

さて、今回のテーマである「土地売却」において、最も注意すべきなのが「家屋を取り壊して更地(さらち)にして売る」ケースです。

「建物が古すぎると買い手がつかないため、解体して土地として売りたい」というご相談は、大宮エリアでも非常に多くいただきます。
この場合、原則である「家屋と土地をセットで売る」から外れるため、以下の追加条件(両方を満たす必要あり)が課せられます。

【建物解体後の追加条件】

条件A:家屋を取り壊した日から「1年以内」に、その土地の売買契約を締結すること

  • これは「契約日」ベースです。引き渡し日ではありません。
  • 例えば、2025年4月1日に家を解体(滅失)した場合、2026年3月31日までに売買契約を結ぶ必要があります。
  • 注意点: 売却活動が長引き、解体から1年を過ぎてしまうと、特例は使えません。解体するタイミング(売却の目処が立ってから解体するなど)が非常に重要です。

条件B:家屋を取り壊してから売買契約の日まで、その土地を「貸付け(駐車場など)」その他事業の用に使っていないこと

  • これが最大の落とし穴です。
  • 「更地にしておくと固定資産税も高いし、売れるまでの間、コインパーキングや月極駐車場にして少しでも収入を得よう」と考える方がいますが、これを一度でもやってしまうと、その土地は「居住用財産」ではなく「事業用財産」とみなされ、3,000万円控除は一切使えなくなります。
  • 一時的な利用(数日間のイベント利用など)も否認されるリスクが非常に高いため、解体後は「売却するまで一切何もせず、更地のまま保持する」ことが鉄則です。

この2つの条件は、国税庁が厳しくチェックするポイントです(根拠:国税庁 No.3320)。
古い家屋が残っている土地の売却をご検討中の方は、「解体前に売る(古家付き土地)」「解体してから売る(更地)」のどちらが税務上・売却戦略上ベストなのか、ぜひ一度、私たちアイエー大宮支店にご相談ください。お客様の状況に合わせた最適なプランをご提案します。

【落とし穴】適用が認められないNGケーススタディ(単身赴任・別荘・親族間売買など)

「自分は条件を満たしている」と思っていても、思わぬ落とし穴にはまるケースがあります。プロの視点から、よくあるNGケーススタディをご紹介します。

NGケース1:「住民票だけ」残していた

  • 状況: 実際は5年前に実家に戻り、売却する家には誰も住んでいなかった。しかし、特例を使いたいがために、住民票だけは売却する家(マイホーム)に残していた。
  • 結果: 適用不可。
  • 解説: 税務署は「居住実態」を調査します。電気・ガス・水道の使用履歴、郵便物の宛先、近隣への聞き取りなどで、実際に住んでいなかったことが判明すれば、即座に否認されます(これは脱税行為にあたります)。

NGケース2:単身赴任中で、売却する家に住んでいたのが「家族のみ」だった

  • 状況: 夫(家の所有者)は地方に単身赴任中。さいたま市のマイホームには妻と子供だけが住んでいた。この度、この家を売却する。
  • 結果: 原則として適用可能。
  • 解説: これはNGケースのようでOKなパターンです。所有者本人が住んでいなくても、その配偶者や家族が「生計を一にする親族」として居住しており、単身赴任が解消されれば所有者も戻ってくる(=生活の拠点である)と認められれば、特例の対象となります。ただし、赴任先に家族全員で引っ越してしまい、家が空き家になってから3年を超えるとNGです。

NGケース3:親族間売買(親子・夫婦)

  • 状況: 父親が所有するマイホームを、同居している息子が買い取る形で売却した。
  • 結果: 適用不可。
  • 解説: 売却相手が、配偶者、直系血族(親、子、孫)、生計を一にする親族、内縁関係の者、同族会社である場合、この特例は使えません。これは、身内間で不当に税金を安くすることを防ぐための措置です。

NGケース4:セカンドハウス(別荘)の売却

  • 状況: 普段は東京のマンションに住み、週末だけ大宮の戸建て(別荘)で過ごしていた。今回、大宮の戸建てを売却する。
  • 結果: 適用不可。
  • 解説: 3,000万円特別控除は、あくまで「主たる居住の場(生活の拠点)」であるマイホームが対象です。別荘や保養所、セカンドハウスは対象外となります。

NGケース5:特例を受けるためだけの一時的な入居

  • 状況: もともと賃貸に出していた物件。空室になったタイミングで、「特例を使おう」と考え、売却直前に3ヶ月だけ住民票を移して住んだフリをした。
  • 結果: 適用不可。
  • 解説: 居住期間の長短は問われませんが(極端な話、1ヶ月でもOKなケースはある)、それは「転勤などのやむを得ない事情」がある場合です。明らかに特例適用を目的とした一時的な入居は、税務署に否認されます。

これらの判断は非常にデリケートです。「ウチのケースはどっちだろう?」と迷われたら、ご自身で判断せず、必ず税務署または私たちのような不動産・税務の専門家にご相談ください。

アイエー大宮支店の買い取り実績

アイエー大宮支店の買取実績

空き家・空き店舗から市街化調整区域まで。なんでもご相談ください!

併用は可能?「10年超の軽減税率」「買い替え特例」「住宅ローン控除」との関係

3,000万円特別控除は強力ですが、不動産売却には他にも節税特例があります。これらと「併用」できるかどうかは、節税額に天と地ほどの差を生みます。

【結論】併用できる・できない早見表

特例の名称併用できるか?
① 10年超所有の軽減税率の特例◎ 併用可能
② 特定のマイホームの買換えの特例× 併用不可(選択制)
③ 住宅ローン控除(買主として)× 原則併用不可(選択制)

深掘り①:【最強タッグ】「10年超所有の軽減税率」とは併用可能

これは最も重要なポイントです。
もし、あなたが売却するマイホーム(土地・建物)の所有期間が、売却した年の1月1日時点で「10年」を超えている場合、3,000万円控除を使った「後」の残りの譲渡所得にかかる税率を、さらに安くすることができます。

  • 通常の長期譲渡所得(5年超)の税率:20.315%
  • 10年超の軽減税率(※):14.21%
    • ※課税譲渡所得6,000万円以下の部分

シミュレーション(冒頭のケース)

  • 譲渡所得:4,450万円
  • 3,000万円控除を適用
  • 課税譲渡所得:1,450万円

▼所有期間が10年以下(7年など)の場合

  • 税額:1,450万円 × 20.315% = 約294万円

▼所有期間が10年超(15年など)の場合(軽減税率も併用)

  • 税額:1,450万円 × 14.21% = 約206万円

併用するだけで、さらに約88万円も税金が安くなりました。
「3,000万円控除」と「10年超の軽減税率」は、マイホーム売却における節税の「最強タッグ」と覚えてください。


深掘り②:【選択】「買換えの特例」とは併用不可

「マイホームを売って、新しいマイホームに買い替える」という方も多いでしょう。
この場合、

  • A:3,000万円特別控除(+軽減税率)
  • B:特定のマイホームの買換えの特例

の、どちらか有利な方を選ぶ必要があります。

「買換えの特例」とは、簡単に言えば「売却益にかかる税金を、次に買う家を将来売るときまで繰り延べ(先送り)できる」制度です。
「非課税」になるのではなく、あくまで「先送り」である点がポイントです。

どちらを選ぶべきか?

  • 売却益が3,000万円以下の場合:
    → 迷わず「A:3,000万円特別控除」を選びましょう。税金がゼロになり、納税が完了します。
  • 売却益が非常に大きい(例:8,000万円)で、新しく買う家の方が高い場合:
    → 「B:買換えの特例」を選んだ方が、目先のキャッシュアウト(納税)をゼロにできるため有利になるケースが多いです。
  • 買い替える予定がない、または新しく買う家の方が安い場合:
    → 「A:3,000万円特別控除」を選ぶことになります。

この選択は、お客様のライフプランや資産状況によって最適解が異なります。アイエー大宮支店では、買い替えのご相談もワンストップで承っており、どちらの特例がお客様にとってベストか、シミュレーションの上ご提案しています。


深掘り③:【選択】「住宅ローン控除(買主として)」とは原則併用不可

これは「売った家」ではなく「新しく買う家」で住宅ローン控除を使いたい場合の話です。

原則として、売却した年、その前年、前々年に「3,000万円特別控除」や「買換えの特例」を使った場合、新しく購入した家で「住宅ローン控除」は使えません。

  • 例: 2025年に家Aを売却し、3,000万円控除を適用。同年、家Bをローンで新築。
    → この場合、家Bの住宅ローン控除は使えません。

どちらを選ぶべきか?
これは非常に悩ましい問題です。

  • 売却益(譲渡所得)がいくら出るか?
  • 新しく組む住宅ローンの金額はいくらか?

を天秤にかける必要があります。

  • 売却益が3,000万円(軽減税率適用で税金約426万円)の場合:
    → 426万円の節税(3,000万円控除)
  • 新居のローンが4,000万円(住宅ローン控除が13年間で約273万円)の場合:
    → 273万円の節税(住宅ローン控除)

このケースでは、3,000万円控除を使った方が有利です。
しかし、売却益が500万円(軽減税率適用で税金約71万円)程度しか出ない場合は、住宅ローン控除(273万円)を選んだ方がトータルで得になる、といった逆転現象も起こり得ます。

非常に複雑なため、買い替えを伴う売却は、必ず専門家にご相談ください。

まずはネットで無料査定

【最大6,000万円控除】「共有名義」の土地・家屋を売却する場合の計算方法

「この家は、夫と私(妻)の共有名義になっている」というケース。これは節税上、非常に有利に働く可能性があります。

3,000万円特別控除は、「人」単位で適用されます。

つまり、家屋や土地が「夫:持ち分1/2」「妻:持ち分1/2」のように共有名義になっており、夫婦ともに居住要件などの条件を満たしていれば、

  • 夫の譲渡所得(全体益の1/2)から 最大3,000万円
  • 妻の譲渡所得(全体益の1/2)から 最大3,000万円

合計で最大6,000万円まで控除できるのです。

シミュレーション

  • 夫婦で共有(持ち分1/2ずつ)のマイホームを売却
  • 全体の譲渡所得(売却益):5,000万円
  • 夫の譲渡所得:2,500万円
  • 妻の譲渡所得:2,500万円

▼もし夫の単独名義だったら…

  • 譲渡所得5,000万円 – 3,000万円控除 = 課税所得2,000万円
  • 2,000万円に対して税金がかかります。

▼夫婦の共有名義(1/2ずつ)だったら…

  • 夫:2,500万円 – 3,000万円控除 = 課税所得 0円
  • 妻:2,500万円 – 3,000万円控除 = 課税所得 0円
  • 夫婦ともに課税所得がゼロになり、世帯として納める税金が0円になります。

【共有名義の注意点】

  1. それぞれが確定申告: 控除を受けるには、夫と妻がそれぞれ別々に確定申告を行う必要があります。
  2. 土地と建物の名義: 原則として、家屋(建物)に住んでいることが要件です。例えば「土地は共有だが、建物は夫の単独名義」といった場合、妻は原則として特例を使えません(※ただし、国税庁の定める一定の要件を満たせば土地所有者も使える場合がありますが、非常に複雑です)。
  3. 持分に応じた計算: 控除額は、あくまで「自分の持分に対する譲渡所得」が上限です。夫の利益が2,000万円、妻の利益が1,000万円なら、控除額もそれぞれ2,000万円と1,000万円になります。

共有名義不動産の売却は、計算が複雑になるため、売買契約書の作成段階から専門家のアドバイスを受けることをお勧めします。

3,000万円特別控除の手続きと必要書類|確定申告はいつ、どうやる?

この特例は、自動的に適用されるものではありません。
売却した年の翌年の確定申告期間(原則2月16日~3月15日)に、ご自身で税務署に申告して初めて適用されます。

「税金がゼロになるから申告しなくていいや」は間違いです。税金がゼロになる場合でも、特例を使う旨を記載した確定申告書の提出が必須です。これを忘れると、後日、税務署から高額な納税通知(無申告加算税や延滞税を含む)が届くことになります。

【確定申告に必要な主な書類】
確定申告書(第一表、第二表)のほかに、以下の書類(計算明細書)や添付書類が必要です。

  1. 譲渡所得の内訳書(確定申告書付表兼計算明細書【土地・建物用】)
    • 売却価格、取得費、譲渡費用などを記入し、譲渡所得を計算するためのメインの書類です。国税庁のHPからダウンロードできます。
  2. 売却した不動産の「売買契約書」のコピー
    • いつ、いくらで売ったかを証明します。
  3. 売却した不動産を「購入した時」の「売買契約書」のコピー
    • 取得費を証明するために必要です。もし紛失した場合、「概算取得費(売却価格の5%)」となり、税金が大幅に増える可能性があります。
  4. 譲渡費用(仲介手数料、印紙代、解体費など)の「領収書」のコピー
    • 経費を証明するものです。
  5. (引っ越し済みの場合)売却した家の「戸籍の附票」または「住民票の除票」
    • 「売却した家の住所」と「確定申告時の現住所」が異なる場合に、過去にその家に住んでいたことを証明するために必要です。売却した家があった市区町村役場で取得します。
  6. (建物解体の場合)解体業者との契約書、領収書、滅失登記の登記事項証明書など
    • 解体日や解体費用を証明します。

これらの書類は、税務署から「お尋ね」があった際にも必要となる重要なエビデンスです。私たちアイエー大宮支店では、売買契約時にお渡しする書類一式が、そのまま確定申告に使えるよう「申告用ファイル」としておまとめするサポートも行っています。

アイエー大宮支店の買い取り実績

アイエー大宮支店の買取実績

空き家・空き店舗から市街化調整区域まで。なんでもご相談ください!

それ、別物です!「相続空き家の3,000万円特別控除」との決定的な違い

最近、「空き家を売ると3,000万円控除が使える」という話を聞いたことがある方も多いでしょう。
ここで注意が必要です。3,000万円控除には、以下の2種類があり、全く別の制度です。

  1. 居住用財産の3,000万円特別控除(今回のテーマ)
    • 対象:「自分」が住んでいたマイホーム
    • 主な要件:住まなくなってから3年目の年末まで、など。
  2. 被相続人の居住用財産(空き家)に係る譲渡所得の特別控除(通称:相続空き家の特例)
    • 対象:「親など(被相続人)」が亡くなる直前まで住んでいた家を、「相続」で引き継いだ場合
    • 主な要件:相続開始(亡くなった日)から3年目の年末まで、売却代金が1億円以下、1981年(昭和56年)5月31日以前の旧耐震基準の建物、など。

決定的な違い
あなたが売る家が「ご自身が住んでいたマイホーム」なら①を使います。
あなたが売る家が「相続で受け継いだ、親が住んでいた実家(空き家)」なら②を使います。

特に「相続空き家の特例(②)」は、「旧耐震であること(または耐震リフォームして売る)」「相続後に誰も住んでいないこと」など、非常に複雑な要件があります。

「親から相続した家に、一時的に自分が住んでから売る」といった場合、どちらの特例が使えるか、あるいはどちらも使えないか、極めて高度な税務判断が必要になります。
アイエー大宮支店は、相続不動産の取り扱い実績も豊富です。相続が絡む土地売却は、ぜひ専門家である私たちにご相談ください。

アイエー大宮支店が解説する「居住実態」を証明するプロの技

前述の通り、税務署は「住民票」だけでなく「居住実態」を見ています。
申告後、数年経ってから税務署から「お尋ね」や「税務調査」が来て、特例を否認され、追徴課税(本税+ペナルティ)を課されるケースもゼロではありません。

そうならないために、万が一「本当に住んでいたのか?」と疑われた場合に備え、以下のような客観的な証拠(エビデンス)を残しておくことをお勧めします。

【「居住実態」を証明するエビデンス例】

  • 公共料金の領収書(電気・ガス・水道)
    • その家に住んでいた期間の、自分名義の領収書。使用量が極端に少ないと疑われる可能性もあります。
  • 固定電話・インターネット回線の契約書・請求書
  • 自分宛ての郵便物(消印が重要)
    • クレジットカードの明細、携帯電話の請求書、税金の通知書など、公的機関や金融機関からのものが望ましいです。
  • NHKの受信料領収書
  • 自治会やマンション管理組合の活動記録
  • (場合によっては)近隣住民の証言

これらは、売却後すぐに捨ててしまいがちですが、確定申告後も最低5年間は保管しておくと安心です。
私たち不動産会社は、税務調査の権限はありませんが、「どのような点が税務署にチェックされやすいか」という知見は蓄積しています。売却のご相談の際に、こうした「将来の税務リスク」についてもアドバイスさせていただきます。

まずはネットで無料査定

土地売却と3,000万円特別控除に関するFAQ(よくある質問)

お客様から特によくいただくご質問をまとめました。

Q1. 土地の所有期間が短くても(例:3年)、特例は使えますか?
A1. はい、使えます。
3,000万円特別控除(居住用財産の特例)には、所有期間の長短は問われません(国税庁 No.3302)。極端な話、買って1年でやむを得ない事情で売却した場合でも、他の要件を満たせば適用対象です。
(ただし、前述の「10年超の軽減税率」は所有期間10年超が条件です。また、所有期間5年以下の「短期譲渡所得」は税率が約40%と非常に高くなるため、3,000万円控除の恩恵はより大きくなります)

Q2. 二世帯住宅を売却しました。親世帯・子世帯それぞれで控除は使えますか?
A2. 建物の構造や登記状況によりますが、使える可能性はあります
例えば、建物内部で行き来ができない「完全分離型」の二世帯住宅で、親世帯・子世帯がそれぞれを区分所有登記(マンションのような登記)している場合。親と子が別生計であれば、それぞれが独立したマイホームとして認められ、それぞれが3,000万円控除(合計6,000万円)を使える可能性があります。
非常に高度な判断が必要ですので、税理士への確認が必須です。

Q3. 控除を使わずに確定申告してしまいました。後から修正(更正の請求)できますか?
A3. はい、法定申告期限から5年以内であれば、「更正の請求」という手続きを行うことで、払いすぎた税金を取り戻せる可能性があります。
「特例の存在を知らなかった」という方は、諦めずに過去の申告書を確認してみてください。

Q4. 取得費(買ったときの契約書)を紛失しました。どうすればいいですか?
A4. まずは、購入時の通帳履歴、登記簿謄本(登記費用から逆算)、ローン契約書など、あらゆる資料を探してください。それでも不明な場合、最終手段として「概算取得費(売却価格の5%)」を使います。
(例:5,000万円で売却 → 取得費250万円)
これでは譲渡所得が非常に大きく計算されてしまいます。3,000万円控除を使っても税金が発生する可能性が高いため、取得費の証明は非常に重要です。

Q5. 土地は父の名義、建物は私の名義です。この場合、父(土地)も控除を使えますか?
A5. 一定の要件を満たせば、土地所有者(お父様)も控除を使える可能性があります。
国税庁(No.3311)によれば、①土地と建物を同時に売る、②土地と建物の所有者が親族で生計を一にしている、③土地所有者(父)もその家に同居している、などの要件を満たせば、土地の譲渡所得からも控除が可能です。ただし、控除額は家屋所有者(あなた)と合わせて最大3,000万円となります(6,000万円にはなりません)。

Q6. 事業用に使っていた店舗兼住宅を売却しました。全額控除できますか?
A6. いいえ、「居住用」として使っていた部分の面積割合に応じて按分(あんぶん)して計算します。
例えば、売却益が4,000万円で、建物のうち「居住用が60%」「店舗用が40%」だった場合。

  • 居住用部分の譲渡所得:4,000万円 × 60% = 2,400万円
  • 店舗用部分の譲渡所得:4,000万円 × 40% = 1,600万円

この場合、居住用の2,400万円に対して3,000万円控除を適用(結果ゼロ)でき、店舗用の1,600万円にはそのまま税金がかかります。

Q7. 税金が複雑すぎます。アイエー大宮支店さんで全部お任せできますか?
A7. 私たち不動産会社は、税務申告の「代行」はできません(税理士法違反となるため)。
しかし、「どうすれば節税できるか」という売却戦略の立案、確定申告に必要な書類の準備サポート、そして信頼できる提携税理士のご紹介は、私たちの最も得意とするところです。
特に大宮エリアの税務事情に詳しい専門家と連携し、お客様の売却をワンストップでサポートいたします。

まとめ:適用条件は複雑!不安な方はアイエー大宮支店へご相談を

今回は、土地売却における「3,000万円特別控除」について、8,000文字を超えるボリュームで徹底的に解説しました。

【重要ポイントのおさらい】

  1. マイホーム(居住用財産)の売却益から最大3,000万円を控除できる。
  2. 「住まなくなって3年目の年末まで」という期限がある。
  3. 建物を解体して土地で売る場合、「解体後1年以内の契約」「貸駐車場にしていない」が絶対条件。
  4. 「10年超の軽減税率」とは併用可能で最強。
  5. 「買換え特例」や「住宅ローン控除」とは併用不可(選択)。
  6. 共有名義なら最大6,000万円まで控除できる可能性がある。
  7. 税金がゼロでも「確定申告」は必須。

ご覧いただいた通り、この特例は非常に強力である反面、適用条件が非常に複雑で、一つでも間違えると数百万円の税金を余計に払うことになりかねません。

「ウチのケースは使えるんだろうか?」
「解体するタイミングはいつが良い?」
「買い替えとどっちが得なんだろう?」

そうした不安や疑問をお持ちになったら、ぜひお一人で悩まず、私たち不動産売買と税務のプロフェッショナル、株式会社アイエー 大宮支店にご相談ください。

お客様の大切な資産を守るため、売却査定から税務戦略の立案、そして無事な引き渡しまで、全力でサポートさせていただきます。まずは無料査定から、お気軽にお問い合わせください。

まずはネットで無料査定

LINEで土地の無料相談もできます

無料土地査定のフォームに入力するのも面倒なあなたにおすすめ!LINEを使った土地のお悩み相談もあります。営業時間にオペレーターが直接返信いたします。

電話予約で待つことなくスムーズに土地査定

正確な価格が知りたい方や、直接担当者と話がしたい方も、もちろん電話相談受付中です。書類の取り寄せ、実際に現地に足を運び、正確に土地査定いたします。

近年早く土地を売りたいお客様が増えております。なるべく早く対応させていただきますが、一つ一つを丁寧正確にと対応していくとお待たせしてしまうことがありましたので、予約することをおすすめします。

記事一覧へ戻る